22戸 平均賃料:6.5万円 交渉期限:3ヶ月少々
入居者は全て複数世帯で、年齢層はおおむね30代から40代が中心であった。通常はオーナー様と初回のみあいさつ回りを行うのだがオーナーの希望でオーナー挨拶を今回は省く。ご挨拶文をしたためての単独訪問をとる。当初、多くの方々は驚いていたが事情を説明し多くの方にご理解いただいた。
スタートから、2週間くらいで2名の方を除きコンタクト。開始から2ヶ月弱のあいだに17件の合意を取得。残5戸だが当初からの2戸は相変わらずノーコンタクトであったため、まめに訪問を繰り返したあと、今度は、手紙を書留郵便にて郵送し、こちら側の誠意を伝え続けた。3戸については周りの様子をうかがっていたが、ある程度の引っ越し代があれば合意してもいいと考えている事を知り、その後合意を得た。
そうこうしいるうち、2戸のうち1戸から連絡が来てアポイントを取った。話によると某大学の法学部出身とのことで、一般的な金額よりも高い要求であった。もう1戸残っている為、返答保留にして他の交渉にあたった。
もう1戸とのコンタクトについては一定時間、一定曜日の訪問と郵便物の受取り時間などから在宅時間等を想定してやっと、家族とコンタクトできた。賃借人は、20代後半の某大手建売業者の社員であった。家族構成は、母親と兄弟との三人住まいで、母親は比較的話しが出来る方であったので、何度か訪問を繰り返し、大家さんの事情を良く説明して頂き息子さんとの折衝を取り持っていただくようお願いした。ただし、息子が全ての決定権を持ってると言う。その後、母親を通じて交渉日時が決まり息子さんとの交渉の場を得た。こちらも高額要求をしてきたので多少時間をかけて取り組んだ。
これらの二組に対しては最近の判例等の説明等をしながら適正な金額にするための話し合いを進めた。二組の要求で合意した場合は、概ね、総予算内での合意金額合計になるが、少しでも適正な金額に近づけたいので話し合いを継続して行くと法学部出身者は奇遇にも、私の、隣中学校の出身者であった。
話しが弾んだのも手伝って両者中間あたりの金額にて合意した。譲歩してもらったので木製の大型でない品物に付いてはこちらで処分する事にしたが、立会時に荷物は全て片づけて退去してくれた。
残るは、大手建売業者の社員であるが金額ありきで、全く譲歩の姿勢を見せないので、要求をのむ代わりに条件付きとした。退去条件は明け渡しまで合意から40日以内とする事と、エアコンなどの残置物一切を処分する特約を付しての合意締結。無事全戸退去となった。